(氷河期世代/親元/生活保護が合理的に見える人へ)
この記事は下記のうちの①と②の方に向けて書いています。


この記事の対象
この記事は、次のような感覚を抱えている人に向けて書いています。
当てはまるものが多いほど、たぶん“正論が刺さらない側”です。
- 氷河期世代で、ブランクや非正規が長め
- 「いまさら頑張っても…」が頭から消えない
- 生活保護のほうが安心に見える(検討している/過去に検討した)
- 親元で暮らしていて、「親が生きている間はそれが最適解」と感じる
- 60歳以降が見えず、未来が細く感じる
- 怒りよりも、無気力・停止感のほうが強い
- 支援の話を聞くと、説教される気がして身構える
ここで大事なのは、無気力を「怠け」扱いしないことです。
むしろ、合理的に生き延びてきた結果として起きている、と考えます。
結論:無気力の壁の正体は「気合い不足」じゃなく「段差」
「働け」「頑張れ」が効かないのは当然です。
無気力の壁の前にいると、こういう計算になります。
- いまさら働いても、残りの人生10〜15年で何が変わるのか
- 若い人の下で働くのがしんどい
- たいして貯金できない
- それなら生活保護のほうが安全に見える
- 親元なら、とりあえずは死なない
これって“感情”というより、損得と安全の計算なんですよね。
だから壁の正体は、「やる気」ではなく “損の段差” です。
そして、段差は――気合いではなく――仕組みでならせます。
仕組みで壁を越える4パーツ:床・スロープ・はしご・仲間
この記事では、難しい言葉をできるだけ使わずに、4つの道具にまとめます。
イメージは、RPGのダンジョン攻略です。最初からラスボスに行かない。

1)床(フロア):まず生活が崩れない“土台”を確保する
無気力の人ほど、実は現実的です。
一回こけると生活が崩れるのが分かっているから、動けない。
床でやることは、就職活動じゃありません。生活を安定させる準備です。
- 住まい・家賃・光熱などの不安を減らす
- 体調(睡眠・通院・薬)を最低限整える
- お金の出入りを“ざっくり”把握する(きっちり家計簿じゃなくてOK)
ここは、働く前にやるのがコツです。
床が傾いている状態で頑張ると、努力が全部すべって疲れます。
2)スロープ:働いても損しない“なだらかな道”を作る
無気力の核心はこれです。
「動くと損する」
「頑張るほど不安定になる」
これを壊すには、精神論じゃなくて 試算(シミュレーション) が必要です。
「働いたら手取りはどうなるか」「制度を使うとどうなるか」を、数字で確認する。
ポイントは、“就職”の話より先に、こう言っていいことです。
窓口での言い方(そのまま使えます)
働くこと自体は否定しないです。
ただ、働くと損しそうで怖いので、手取りがどうなるかを制度込みで計算してほしいです。
いきなりフルタイムは難しいので、短時間からの前提で相談したいです。
これを言うだけで、話が「説教」より「設計」に寄りやすくなります。
3)はしご(ラダー):いきなり正社員じゃなく“段”を用意する
無気力の人に「フルタイムで働け」は、負荷が大きすぎます。
必要なのは、いきなり正解を当てることではなく、試運転の段です。
おすすめの“はしご”は、こういう条件です。
- 週2〜3日
- 1日3〜4時間
- 仕事内容が単純で、覚える量が少ない
- ミスが致命傷にならない(怒られにくい設計)
ここでの目的は、収入額の最大化じゃありません。
「外に出ても壊れない」「少しは動ける」という現実の証拠を作ることです。
4)仲間:友達じゃなくていい。“1人じゃない設計”を入れる
無気力は、孤立と相性が良すぎます。
1人だと、損の計算ばかりが強くなって、試す余地が消えます。
ここでいう仲間は、友達じゃなくてOKです。
- 週1回だけ話す相手
- ちょっと先を歩く同世代
- 手続きを一緒に見てくれる人
- 説教しない相談員・支援者
“1人で頑張らせない”のも、仕組みです。

「親元が最良」という合理性は、否定せず“アップデート”する
ここ、いちばん大事です。
「親元で、親が亡くなるまで生きる」が最適に見えるなら、それは責められません。
だから、狙いを変えます。
親元ルートをアップデートする3つの目的
- 親が元気なうちに、外部の支え(制度・人・場所)を増やす
- 親が倒れた時の“穴”を小さくする
- 親が亡くなった後の「住まい・お金・手続き」のパニックを減らす
つまり「家を出る」より先に、親元でも崩れない構造を作る。
これが床(フロア)の延長です。
90日でやる“クエスト型”ロードマップ(できるだけラクに)
「読むだけで終わる記事」にしたくないので、最小の行動単位にします。
全部やる必要はありません。途中まででも前進です。

0〜7日:クエスト1「床を平らにする」
やることは“少しだけ”でOK。
- 固定費を3つだけメモ:家賃/通信/光熱
- 未納・滞納・借金があるなら、額と相手だけ書く(解決は後)
- 相談先を1つだけ決めて名前を控える(行くのは後でいい)
ここで得られるもの
「何が怖いのか」が言葉になる。これだけで一段軽くなります。
2〜4週:クエスト2「スロープを作る(損しない計算)」
ここは、できれば窓口と一緒にやるほうが安全です。
(自力でやると不安が増えて止まりやすいからです)
- 働いた場合の手取り見込み(短時間前提)
- 制度を使った場合の安心の範囲
- “両方の中間”があるか(短時間+制度の組み合わせなど)
コツ
「就職を決めに来た」じゃなく、「損しない設計を作りに来た」で話す。
5〜8週:クエスト3「はしごに足をかける」
- 週2回、外に出る(買い物でもOK)
- 週1回、誰かと話す予定を入れる
- 可能なら短時間の役割を試す(単発・短時間)
ここで得られるもの
“働けるかどうか”より先に、“戻れる”が手に入ります。
これは人生後半でかなり強いです。
9〜12週:クエスト4「仲間と装備を固定する」
- 伴走者を固定(相談員・支援員・同世代・コミュニティなど)
- 次の選択肢を2つ持つ(決め打ちにしない)
- A:短時間の仕事を少し増やす
- B:学び直しや訓練に寄せる
- C:当面は床を強化して維持する(これも戦略)
ここで得られるもの
「人生が短い」からこそ、舵を握っている感覚が戻ります。
よくある疑問(ここで止まりやすい所に先回りします)
Q1. 相談窓口が怖い。説教されそう
A. その不安は自然です。だから“テーマを限定”します。
「就職の話は後でいいので、手取りの段差を一緒に計算したい」と言うと、話が設計になりやすいです。
Q2. フルタイム前提で進められるのがしんどい
A. 先に「継続条件」を伝えて大丈夫です。
「週2〜3回、短時間でないと続かない」これはワガママじゃなく、再起に必要な条件です。
Q3. 結婚や家庭を考えると苦しくなる
A. そこに触れたくない時期があるのも普通です。
この記事の評価軸は「結婚できるか」ではなく、
「60歳以降に崩れない」「親が倒れても詰まない」に置いています。軸を変えるのも仕組みです。
Q4. どうしても“残り10〜15年”の感覚が消えない
A. 消さなくていいです。
むしろ、その現実感があるからこそ、やることを絞れます。
“人生を逆転”じゃなく、損の段差をならして、崩れにくくする。ここに集中します。
今日の最小アクション(5分で終わるものだけ)
次のどれか1つだけでOKです。
- 固定費を3つ書く(家賃/通信/光熱)
- スマホのメモにこれを貼る
- 「損しない設計(手取り試算)を一緒に作りたい。短時間からの前提で」
- 相談先候補を1つ検索して、名前だけ控える(行くのは後でいい)
まとめ:無気力の壁は“正しさ”では壊れない。段差をならす話
無気力の壁は、怠けではなく「合理的に身を守ってきた結果」で起きやすい。
だから必要なのは正論ではなく、設計です。
- 床:生活が崩れない土台
- スロープ:働いても損しない計算
- はしご:短時間で手応えを作る
- 仲間:1人にしない仕組み
もしこの記事が少しでも刺さったら、まずは“床”からで大丈夫です。
いきなり人生を変える必要はありません。段差をならすだけで、次が見えやすくなります。


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